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経営戦略

DS Transformation A Bridge to Tomorrow がんに強みをもつ先進的グローバル創薬企業

第一三共グループは、「2025年ビジョン」として「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を目指すこととしています。2025年において、がん事業を中心とするスペシャルティ領域を中核事業とし、各国事業に適合したリージョナルバリュー製品を豊富に持つこと、さらに、SOC(Standard of Care:標準治療)を変革する先進的な製品・パイプラインが充実している姿が目標です。

Transformation イメージ図

では、具体的にどのような取り組みを進めていこうとしているのでしょうか。ここでは、5つの切り口から経営戦略のポイントを紹介していきます。

  1. 戦略 1 エドキサバンの成長

    グラフ

    循環器領域では、従来、血栓塞栓症(血栓により血管が詰まる病気)を予防・治療する薬剤としてワルファリンが使用されてきましたが、近年、DOAC(新規経口抗凝固薬)と呼ばれる薬剤が各社から発売され、市場が拡大しています。DOACの市場は、グローバルでは1兆4,000億円規模(2016年)になっていますが、ワルファリンと切り替わる余地がまだ大きくあると考えられています。
    日本では、エドキサバンの製品力と質の高い営業力によって国内No.1DOACに成長し、欧州では個々の顧客にきめ細かい対応を実践する営業モデルを展開し、その他の国でも市場開拓を進めていきます。自社販売拠点を有さない国・地域では、それぞれの国・地域において最適なパートナーと協業しプロモーションを展開しています。

  2. 戦略 2 がん事業の立ち上げ・確立

    グラフ

    第一三共では「2025年ビジョン」において、「がんに強みを持つ先進的グローバル創薬企業」を目指すことを掲げています。2025年においては、がん事業を中心とするスペシャルティ領域を中核事業とすると定めており、がん事業の立ち上げ・確立に向けて全力で取り組んでいるところです。
    当社が注力するフランチャイズとして、ADCとAMLを設定し、これらを強化するために外部提携も積極的に活用していく方針です。 ADCにおいては、独自技術の開発、開発技術の応用による複数品目の候補品の育成を、AMLにおいては、多様なパイプラインをとり揃えことで、多角的、総合的な治療に全力を挙げていきます。

  3. 戦略 3 日本No.1カンパニーとしての成長

    ネキシウム(抗潰瘍剤:プロトンポンプ阻害剤)
    • GERD*治療の第一選択薬のポジション確立によるNo.1シェア堅持
    メマリー(アルツハイマー型認知症治療剤)
    • エビデンス普及を通じた、中等度以上アルツハイマー型認知症の
      コリンエステラーゼ阻害薬との併用療法標準化
    プラリア(骨粗鬆症治療剤)
    • イドラインで高く評価された位置付けを訴求し、さらなる市場浸透を拡大
    • 関節リウマチへの適応拡大によるさらなる成長
    ランマーク(がん骨転移による骨病変治療剤)
    • がん骨転移による骨病変治療の標準治療薬としてのポジション堅持
    • 乳がんへの適応拡大によるさらなる成長
    エフィエント(抗血小板剤)
    • 心臓領域:日本人に適した用量設定の普及による圧倒的シェアNo.1の堅持
    • 脳領域への適応拡大により日本の次世代抗血栓治療をリード
    テネリア(2型糖尿病治療剤)
    • 高齢者・腎機能低下患者での使いやすさと有効性を訴求し、
      糖尿病治療のファーストラインとしてシェア拡大

    Gastroesophageal Reflux Diseaseの略。逆流性食道炎を含む胃食道逆流症

    日本においては、イノベーティブ医薬品事業の強みを活かし、そこにジェネリック医薬品事業、ワクチン事業、OTC医薬品事業の3事業を加え、予防、セルフメディケーション、治療までのさまざまな医薬ニーズに広く的確に対応することにより、名実ともにNo.1カンパニーとして成長することを目指しています。
    ネキシウム(抗潰瘍剤:プロトンポンプ阻害剤)、メマリー(アルツハイマー型認知症治療剤)、プラリア(骨粗鬆症治療剤)、ランマーク(がん骨転移による骨病変治療剤)、エフィエント(抗血小板治療剤)、テネリア(2型糖尿病治療剤)の6剤を主力商品とし、さらに、幅広い領域で新製品を上市していく計画となっており、切れ目ない製品ラインナップの強化で、日本No.1カンパニーとして成長していこうとしています。

  4. 戦略 4 SOCを変革する先進的医薬品の継続的創出

    グラフ

    第一三共では、がんを重点領域に定めるとともに、疼痛、中枢神経疾患、心不全・腎障害、希少疾患を次世代領域と位置づけて、これらの疾患に対する治療薬の研究開発を重点的に推進しています。パートナリング、オープンイノベーション*1、トランスレーショナルリサーチ*2といった手法も活用して、SOCを変革する先進的医薬品の継続的創出を目指しています。
    また、2016年4月から研究組織をバイオベンチャーモデルに転換しました。これは領域ごとの小組織を作り、 研究テーマに関する意思決定権を与え、成果に応じたリソースを配分することで、ベンチャー的なマインドを活性化させ、研究スピードを高めようとするものです。さらに、ADCC(Antibody Dependent Cellular Cytotoxicity:抗体依存性細胞傷害)、ADC(Antibody Drug conjugate:抗体薬物複合体)、核酸医薬*3、バイスペシフィック技術*4、細胞治療*5など先進的なバイオ基盤技術を応用した研究・開発にも取り組んでいます。

    1. 外部の開発やアイデアを活用することで自社の課題を解決し、革新的で新しい価値を生み出す手法
    2. 新しい医療を開発し、臨床の場で試用して、その有効性と安全性を確認、日常医療に応用していく一連の研究過程
    3. 遺伝子を構成する核酸を用いた医薬品
    4. 2種類の抗原の作用を同時に阻害する技術
    5. ヒトの細胞を対外に取り出し、選別、活性化、増幅、分化などの処理を行った後に患者さんに投与することを通じてさまざまな疾患を治療する方法
  5. 戦略 5 米国事業の拡大

    重要な成功要因と主な戦術
    モバンティック(オピオイド誘発性便秘薬)
    • オピオイド誘発性便秘の認知度向上
    • オピオイド誘発性便秘を日常的な関心事へ啓蒙
    • リーズナブルな価格・保険償還
    疼痛コミットメント
    患者さんの幸福と適切な治療提供
    • 痛みに苦しむ患者さんへ鎮痛剤、服用に伴う副作用を緩和する処方薬を提供する
    医療機関、患者さん、ご家族、介護者に対する鎮痛剤の適切な使用法の啓発
    • 流用、誤用、乱用、中毒、過剰摂取について認識を深め、それらを防止する
    処方薬の乱用問題の解決への貢献
    処方や流通経路のモニタリング
    • 不適切な処方や流用の徴候がないかモニタリングを行う
    処方や流通経路のモニタリング
    • 痛みの治療に関し正しい知識と情報を持ち、患者さんの症状の重さと鎮痛剤の潜在的リスクとに真摯に向き合い、疼痛治療の情報収集・伝達を行う
    倫理的かつ社会的責任を負った行動
    • 公正、正直、誠実な態度で、当社の行動規範に従って業務を遂行する
    鉄注射剤フランチャイズ
    • インジェクタファーを旗艦製品・市場リーダーへ育成(年平均成長率 20 ~ 30%)
    • LCM*1の遂行(鉄欠乏症を合併した心不全患者を対象としたフェーズ3試験を開始)
    • プロモーション対象を鉄欠乏性貧血を扱う胃腸科専門医、産婦人科医などへ拡大
    ジェネリック注射剤 フランチャイズ
    米国ジェネリック注射剤市場でトップサプライヤーの1つへ成長
    2017年度は
    • 3品目のANDA*2申請と、3品目のNDA*3申請を目指す
    • 設備投資による製造能力の拡張
    1. Life Cycle Managementの略。適応症の拡大や剤形の追加、用法・用量の改善によって医薬品の製品価値を高め、製品の寿命を伸ばすこと
    2. Abbreviated New Drug Applicationの略。後発薬メーカーが後発品を販売するためにFDA(米国食品医薬局)に提出する承認申請
    3. New Drug Applicationの略。新規の薬剤を市販する許可を得るためにFDA(米国食品医薬局)に提出する承認申請

    米国の第一三共Inc.では、疼痛領域での事業拡大に注力します。米国の疼痛市場は約3兆3,600億円の規模があり、オピオイド製剤がそのうちの40%以上を占めています。第一三共Inc.では、がん以外の慢性疼痛治療を目的にオピオイド製剤を処方された成人患者さんを対象としたオピオイド誘発性便秘薬モバンティックを販売しています。オピオイド製剤を投与された患者さんの約40%は、オピオイド誘発性便秘を経験することから、大きなアンメットメディカルニーズがあり、モバンティックは着実に売上収益を伸ばしています。
    また、今後、乱用防止特性を備えたオピオド製剤モルファボンド、ロキシボンドを上市することで、米国における疼痛事業の拡大を図っていきます。

国内における多様な 医療ニーズに応えるビジネスモデル

ビジネスモデル